ブロックチェーンが抱えるリスク「51%攻撃」

2019年6月28日

 

前回の記事でデータの改ざんが困難とお伝えしましたが、困難というだけで「不可能」ではないのです。

実際にデータの改ざんが行われてしまった例として「51%攻撃」というものがあります。

今回は「51%攻撃」についてお伝えしてきたいと思います。

 

51%攻撃とは?

2018年5月にBTGモナコインVergeなどが51%攻撃を受けたことから仮想通貨市場に大きな波紋を呼びました。

悪意のあるマイナー集団がネットワークの計算能力の過半数(50%以上)が支配することで、本来なかった事になるはずだったブロックチェーンを意図的に引き伸ばし続けて、正しかったブロックチェーンを否認することでおきます。

 

51%攻撃で起こってしまうこと

「これから行う取引の二重支払い」

二重支払いとは既に使用された仮想通貨を再度使用して取引を行う事です。

同じ仮想通貨を異なる相手に支払うことによって、その決済システムは信用を失い、仮想通貨の価値はなくなってしまいます。

「ある取引が承認されるのを妨害する」

51%攻撃により取引の承認も自由自在になってしまいます。

それによってなにが起きるかというと、正しい取引を否認して不正な取引を承認するということが起こります。

正しい取引が否認されるということは、お店での決算なども承認されないということです。

お店で支払われた通貨がなくなっているなどの損害が生まれてしまうので信用取引が不可能になってしまいます。

「マイニングを独占する(報酬を全て手に入れる)」

51%攻撃が成功してしまうと、悪意のあるマイナー集団にマイニング報酬が独占されてしまいます

仮に51%攻撃を仕掛けた集団以外のマイナーがブロックを生成したとしても、そのブロックが否認されてしまうので他のマイナーが報酬を受けとることができなくなってしまいます。

 

51%攻撃では起こらないこと

「過去の取引履歴の改ざん」

正しい取引を否認、不正な取引を承認。という事ができるのであれば過去の取引履歴も改ざんできるのではないか?

と思われるでしょうが、それは非常に難しいとされています。

もちろん理論上は可能ですが、それを行うとするのであれば非常に大きな労力が必要になります。

51%攻撃はブロックチェーンの分岐を利用して行われるということが理由になります。

ブロックチェーンはより長いほうが正しいという仕組みになっています。

それら全てを書き換えることは「過去のブロック生成に使われた労力」+「過去のブロックを書き換えるために費やす労力」を必要としますので、過去の取引履歴を改ざんすることは非常に難しいとされています。

「他人の仮想通貨を奪う」

51%攻撃が起きたとしても他人の仮想通貨を奪う行為は不可能とされています。

あくまで仮想通貨上のネットワークを支配する行為でありハッキングではないからです。

他人の仮想通貨を盗むのには個人に与えられている「秘密鍵」が必要になります。

しかし、51%攻撃はハッキングではないことから秘密鍵を奪えないので他人の仮想通貨を奪うのは事実上不可能とされています。

 

51%攻撃は非常に脅威的だが、心配しすぎることでもない。

前述の通り、51%攻撃は非常に悪質であり脅威的なものである上に回避する手段はありません。

しかし、1つのマイニング集団が計算能力の過半数(50%)に近づいた場合、その時点で世界中に広く知られる事になります。

また、莫大な労力とコストがかかる上に、51%攻撃を行うことで仮想通貨の価値が下がってしまうことから再び51%攻撃が起こる可能性は低いと言われています。

 

ブロックチェーンはとても安全性の高い技術として仮想通貨の基盤となっておりますが、こういったリスクも抱えています。

また、可能性が低いとはいえ実際に発生した事例もありますので注目されています。

 

以上、ブロックチェーンが抱えるリスク「51%攻撃」についてお伝えさせて頂きました。